今日は天文雑誌の発売日でした。
無事、なんとか入選することができました~。
特に、星ナビに採用して頂いた、NGC5044付近は、昨秋から取り組んでいたイプシロン200+ST10XMEのスーパーサブによる入選作だったので、とても嬉しい♪
星ナビ 2018年8月号 入選作 DeepSkyNGC5044付近 イプシロン200 アストログラフ ST10XME冷却CCDカメラ
NGC5044付近の銀河たちです。楕円銀河NGC5044,ダイナミックな腕を持つNGC5054の他、様々な形状の銀河が一コマに収まり、まさにDeepSkyと呼ぶに相応しい星域です。
昨秋から、スーパーサブとして、イプシロン200+ST10XMEで撮影してきましたが、ようやく花開いた感じで、感無量です。
少し前にも書いた様に、ST10XMEは、わずか3MPixelしかなく、昨今のデジタル一眼カメラに比べると画素数では大きく見劣りします。
然しながら、その超高感度特性は、自分の持つ機材の中では間違いなく最高レベルで、実際、撮影するとその感度特性には驚かされます。良いカメラです。
天文ガイドには、NGC4216付近で入選でした。
天文ガイド 2018年8月号 入選作 NGC4216付近 オライオン30cm反射望遠鏡 パラコアⅡ使用 SXVR-H694冷却CCDカメラ
3つの銀河が並んでいて面白い領域です。
なるべくピクセル等倍で見せたいな、ということで、フォト蔵の制限から、2k×2kにトリミングしてあります。
中央のNGC4216の暗黒帯の描写をぜひ見ていただきたいです。
星ナビ入選作と同じく、今回応募の作品は構図も重視したマイナー銀河の作品になります。1型サイズのCCDだと、センササイズが小さいので良い被写体は限られるのですが、それでも面白い天体はいくつかあるものです。
隙間狙いでなんとか、採ってもらえてます (^^ゞ
とはいえ、この天体は、10年程前に、イプシロン200+SXV-H9で応募したときは落選しているので、リベンジを果したことになりますねー。こちらも、そういう点では感無量です。
とはいえ、天文ガイド応募作の本命は、NGC4216ではなく、こちらだったりします。
天文ガイド不採用作 近赤外光による干潟星雲M8 イプシロン200 ST10XME SC70+IDAS TypeⅣ RGBフィルタ
IDAS type4フィルターで近赤外領域で三色分解合成したM8です。
IDAS typeⅣフィルターは、可視光の他、近赤外領域でも、三色分解撮影できるように、当時のIDASの技術の粋を尽くして作成された、マルチ・バンドパスフィルターです。
別途、赤外カットフィルターを用いる必要があったのが、やや時代遅れと捉えられたのか、前作のTypeⅡ、TypeⅢ程には普及しなかった様に思います。
しかし、世界的に見ても、近赤外領域での三色分解撮影が行えるのはこのフィルターのみではないでしょうか?
非常に稀有なフィルターとなってます。
ST10XMEのもうひとつの特徴はその近赤外領域での感度の高さです。フルフレームトランスファ型CCDの特徴で、青色より赤色、さらに言えば近赤外領域でのQEの高さは特筆すべきものがあります。
したがって、IDAS tyoeⅣフィルターとは非常に相性が良い組み合わせとなります。
近赤外領域では、輝線星雲は、713nmのArⅢ、953nmのSⅢがあるようです。惑星状星雲では強い輝線とされてますが、散光星雲だとどうなんでしょう・・?
反対に緑色になる領域としては、パッシェン系列の水素輝線が820nmにある筈なのですが、バルマー系列でいうと、Hδ相当?かそれ以下で、相当微弱になるようで、色彩としては、青紫系になるようです。
パッシェン系列の水素輝線は954nmにもあるようです。
また輝線星雲が写らない(弱い)分、背景の天の川の星々が浮かび上がってきます。
このテの撮影は昔から何回かやっているのですが、やっぱり面白いですね。
特にイプシロン200とST10XMEでの撮影では画角的にも都合がよく、これからもいろいろな散光星雲を撮影してみたいと思っているところです。
難点は、スライド式フィルターなので、フィルターが自動では切り替わらないこと。
この時は、40分ごとの細切れ睡眠で撮影していて、大変苦労しました・・・。
うーん、面白いと思うので、もう少し詰めて、再応募するかもしれません、、、
今回、観測の部狙いで送りましたが、惑星が旬のこの時期、これも敗因だったかもしれません。
でも、鑑賞写真としては美しくないかなぁ、、、( ̄ヘ ̄;)ウーン・・・
星ナビ 不採用作 NGC2818 イプシロン200/オライオン30cm ST10XME/SXVR-H694 ハイブリッド作
赤緯-36度と低空の天体なので、撮れる時間が限られます。そこでオライオンとイプシロンで同時に同じ天体を撮影し、合作とすることで、散開星団+惑星状星雲を効率よく撮影しました。
NGC2818は散開星団でM46の様に、惑星状星雲が隣に写ってきます。
自宅の3F星見丸と、2Fベランダからの同時撮影によるハイブリッド作品です。
RGBカラーをイプシロン200で撮影し、OⅢとHαを3Fのオライオン30cmで撮ることで、上手く撮影できないかと目論んだのですが、撮影時の透明度の悪さもあり、散開星団らしさを表現できませんでした。
RGB画像で手一杯だったのですが、やはりL画像もとっておくべきだったか・・・
もう少し星が輝いてくれれば、散開星団のS/Nが良ければ印象がだいぶ変わってきそうです。
とはいえ、この天体も昔から撮りたかった天体のひとつでしたので、まずまずの作品に仕上がって、こちらも感無量、といったところでしょうか。
またどこかで、再撮影はしてみたいとは思いますが、イプシロンだけでいいかなー・・
今回は、採用作も、ゲキチン作もいずれも、思い入れのある天体ばかり。まさに感無量という言葉がしっくりとくるのでした。