さて、毎年恒例?フォトコン分析です!
2017年はまだまだ2ヶ月足らず残ってますが、今月で12月号。
月刊誌のフォトコンテスト的には、今年度は終了です。
改めて?振り返ってみたいと思います。
福田港での撮影した写真です。ただ、この時は、9月に一人寂しく撮ったんじゃないかなー・
海での大気の浮き上がりの大きさを痛感したのを覚えています。
星ナビ 2017年1月号 入選作 夜空の小さな宝石、惑星状星雲
こちらは、引越し前のニワトリ。夏~秋の惑星状星雲を集めた組写真です。
惑星状星雲は散光星雲以上に、個性豊かなので、撮影してみると面白いですよ。
天文ガイド2017年4月号 採用作 NGC2634付近
ちょっと(かなり?)間が空いてしまいましたが・・・(;゚Д゚)
3ヶ月ぶりの入選となりました。実は、2年ほど前の2015年にも自宅からチャレンジはしていたものの・・・
淡い云々以前にテレビのアンテナにひっかかり、まともな作品ができず(多分、未処理だと思います・・)
遠征に出かけられる様になったら、撮りたい天体の第一候補だったのでした。
星ナビ 2017年4月号 入選作 かに座の惑星状星雲 Abell31
こちらの天体は遠征でなくては・・という天体ではないのですが、やはり前々から気になっていた天体。
年末年始を挟んで撮影してみたのでした。さすがに1晩分だけではデータが不足で、年明けしてから追加撮影。
まだS/Nは十分ではありませんが、独特な形状が出せたと思います。
OIII線の色から判る人には判ると思いますが、AOO+RGB合成で、両者のいいところどりをしているつもりです。
星ナビ 2017年5月号 入選作 8の字星雲 NGC3132 オライオン30cm反射望遠鏡 ビクセンレデューサR使用
1056mm F3.52 4秒×201枚
星ナビ5月号には、QHY5III178Cでの作品で入選させていただきました。
1/1.8型ながら、600万画素の画素数があり(画素数は、せめて300万画素くらいが良かったのですが・・)、かつ裏面照射型の高感度カラーカメラです。
使い方次第でフォトコンテストにも十分通用するのではないか・・と考えていましたが、思ったよりも早い入選作となりました。
天文ガイドゲキチン作 M63外腕部 オライオン30cm反射望遠鏡 パラコアⅡ SXVR-H694冷却CCDカメラ
こちらは、撃沈作。自信はあったんですけどねぇ・・・(;´д`)トホホ…
M63の周囲の淡いStarStreamsを描出したものです。画像処理にも撮影にも、相当苦労しました。特にぼうらやさんでは風が強く、シーイングが悪く、という日が多く、でかけても、まともな画像がなかなか得られませんでした。その為、風でブレたデータも使って、なんとかこの淡い、スタートレイルを炙りだしてみました。
まぁ・・淡い、と言っても、NGC5907のぐるぐるに比べたら、まだまだ明るい方なんだなーとは思いました。
いずれにしても、遠征で撮りたかった天体。なんとか撮影できて良かったです。
天文ガイド6月号入選作
接近、相互作用する銀河たち
実は、昨年、上3つで『宇宙の事故現場』という題名で送ったのですが、見事にゲキチン。
友人から、タイトルが悪いのではないか・・・と言われていたのもあって、今回、新たに下3つを再処理して、追加。応募したのでした。
どれも興味深い銀河たちで、組写真とはいえ、こういった天体写真を採用していただけるのは嬉しい限りです。
こちらは、ぼうらやさんで撮影したALICE-Ⅱによる回転花火銀河です。
今年に入ってから、ALICE-Ⅱの実戦運用を重ねてきました。なにしろ、クセのある超じゃじゃ馬なカメラで、まだまだテストの域からなかなか抜け出せません。
その割に、これだけ良い写真が撮れてしまうこともあるので、悩まされてしまいます。
南の回転花火銀河 オライオン30cmF4反射望遠鏡 パラコアⅡ使用 ALICE-Ⅱにて
こちらは落選しましたが、ALICE-ⅡによるM83です。こちらも、1枚あたり6秒という非常に短い露光時間でも多数枚コンポジットすることによって、銀河の淡い腕まで表現できています。
M101はより淡い腕も持っていますが、そちらも、1枚6秒という短い露光時間で表現できてしまう・・・
CMOSカメラの低読み出しノイズ適正のなせる技ではあるのですが、冷却CCDカメラに対しての有効性がどこまであるか・・となると・・。比べると、一段、キレは上がるんですけど、多数枚処理の苦労を考えると・・・といったところで、このじゃじゃ馬カメラをどう扱っていくのか悩んでいるところです。
星ナビ 9月号入選作 M16 NarrowBand
CMOSカメラの低ノイズ特性から、ナローバンド向きではないかと考え狙ってみました。
ラッキーイメージングの効果でM16のディテールに迫ることが出来たと思います。
さて、選者コメントにあった様に、1枚あたり6秒で、ラッキーイメージング効果が見込めるか?ですが、シーイング次第ですが、1枚あたり6秒でも、かなり星像の差が大きいです。こういった南にやや低い天体には、有効かなと思います(上のM83もそうですが)
ただ、やはり監視用カメラなので、最長でも10秒までの制限は結構きつくて、Hαは十二分なイメージになりますが、SⅡはさすがに苦しいものがあります。
それでも、ここまで写れば、上出来かな?と思ったりもしますが・・・。処理の苦労を考えると悩んでしまうところです。
天文ガイド 10月号入選作 M8 NarrowBand MIZAR130SL改 MPCC使用 ALICE-II 半自作CMOSカメラにて
NarrowBandでもカラーが全盛ですが、単色で見ると同じ星雲でも形状が異なり面白いものです。
見知った天体が、まるで別物の様に見える、というのもナローバンド撮影の魅力の一つです。
天体によっては、案外OIIIが写ってこない天体(例えば、まゆ星雲とか)やSⅡが想像以上に写らない天体(クレセント星雲がそうだったかと・・)もあれば、逆にSⅡが強い網状星雲とか。
ひとことで、散光星雲といっても、いろいろとあるんだなぁ~、と、驚きます。
自宅完成後の2Fベランダからの撮影で、1枚あたり10秒。木造住宅なので、振動等の心配をしていましたが、全く何もできない!という事態は避けられそうなのが分かり、一安心。
また、子供の頃に買って貰った望遠鏡(まぁ・・筒以外は総取替えしてますが・・ ^^;)での入選で、ちょっと嬉しい♪
星ナビ 10月号入選作 リング状星雲 M57 オライオン30cm反射望遠鏡 QHY5III178C UHC-Eフィルタ
1枚あたり2秒で撮影してラッキーイメージング効果を狙いました。撮影時のシンチレーションは、決して良くありませんでしたが、ラッキーイメージング効果で良い結果を得ることができたと思います。
こちらも、自宅2Fベランダからの撮影で、前述のM8同様、自宅から何も撮れない!という事態は避けられてほっとしました。
これもシーイングは良く無かったんですが、自宅2Fベランダから撮影したものです。露光時間1秒で多数枚で勝負したのですが・・。いやぁ、逆にシーイングが悪い時に1秒とかで撮ると、ここの部分は良いのだけど、こっちはぼけぼけ、という感じで、逆に選別に悩まされる結果に・・・!
試しにAviStackで良いトコどりできなかなぁーと試しましたが、背景が特に棄てられてしまい(設定で回避できるのかもしれませんが・・)、S/Nが上がらず。
いろいろと難しいデス・・。AutoStakkert!も使ってみようと思ったのですが、こちらはSER形式でないとダメなのかな?と諦めた記憶が・・
天文ガイド11月号採用作 C/2015ER61パンスターズ彗星とM45すばる NewFD300mmF2.8L望遠レンズ フジ X-E1 デジタルカメラ
今年は一体どうしちゃったことでしょう?梅雨明け以降、遠州地方はほぼ全くと言っていいほど晴れません。
その中、8月下旬に夜半過ぎからの晴れ間をついて、屋根裏ベランダ、星見丸からの初撮影になったのがこの作品です。
ファーストライトが入選とは幸先が良いです!
また、自宅3F星見丸からの撮影では、この程度の焦点距離なら問題なく撮影できそうな感触も掴めました。
12月号は両誌とも落選でした (。・ω・。)
さて、分析です。
カメラ別で見ていくと、やはり現在のメインカメラ、SXVR-H694が全体の3割を稼いでいます。
ICX694ALG搭載の高QEカメラで、オライオン30cm+パラコア2との相性も良いのが大きいかな。
今だったら、ICX814ALGカメラの方をチョイスするでしょうが・・・(オライオン直焦点ないし等倍コレクターと相性が良く、画素数も多い)。良いカメラだと思います。
昨年30%→31%
現在だと価格を考えてしまうと、IMX174の冷却CMOSの方に魅力を感じますが・・。長秒露光した時の性能はどうなのかなぁ・・・?
長秒露光では、まだまだ、CCDに分があると考えています(市販のデジタル一眼レフカメラの様に映像エンジンが載ってくると話しが変わってきますが)
とはいえ、価格面から、もし、SXVR-H694が故障したら、その時は、多分、ZWO ASI174MM-Coolあたりを検討、でしょうかね・・。
次点は、DMK/DFKカメラコンビですが、昨年3月にDFKカメラが故障してしまった為、このカメラは今後は使用頻度が落ちていくと思います。ただ、金星のUV撮影等では、手持ちの惑星用カメラToupCamでどこまで実用に耐えられる画像が得られるか次第ですが、低照度だとAptinaセンサーは縦縞が出てきてしまうので、ちょっと心配(ASI120MMでは縦縞に引っ張られてスタックすらできなかった・・)。
その場合は、CCD機のDMK21AF04の出番になりますが・・・。ICX618搭載機が欲しくなるかなぁ・・。
CMOSセンサーの進化に期待しつつも、SonyCCDの生産は2020年まで、ですからね。
今のうちにCCD機を買っておくというのもアリかもしれません?
その後は、ST8XME,SXV-H9,ST7Customと、過去のメインカメラが名前を連ね(しかも、実際に使ってきた経歴の順番で!)、その後に、X-E1が頑張ってくれています。
彗星撮影を始め、結構活躍してくれてますからね~。これもクセはありますが(シャープ無しで現像しても星に黒縁できたり・・)、良いカメラだと思っています。
あとは、ALICE-Ⅱが、昨年1%→4%と躍進しています。
UC計画 (Use Cmos CMOS使っちゃうよ計画 笑)も、ようやく花開いて来たかなーと言う感じです。
私のたったひとつの望み。可能性の獣。希望の象徴。
人間だけが神をもつ。今を越える可能性という内なる神を。
系外銀河のディテール描写向上という望みの為に、今を超える可能性に賭けたALICE-Ⅱなのですが、いやはや、まさに可能性の獣というくらいじゃじゃ馬さんです。
星見丸で果たしてどこまで撮影できるのか不明だったこともあり、このカメラを使っていく為のノウハウや性能限界等を検討する必要がありましたから、2月以降、本腰を入れて撮影してきました。
うーん、悪いカメラではないんだけど・・・。
手間がかかりすぎるので、メイン機にはし難いものの、今後もサブカメラ、あるいは被写体によってはメインとして使っていく予定・・。
半自作機なので、もう少し、強化改造したい面もあるかな・・
あとはスーパーサブ機ST10XMEは、アパート暮らしの為、実家で保管でしたから、存在感が弱められてしまいました。5%→4%
同じくサブ機ですが、昨年末購入したQHY5III178Cも、入選を果たしています。今後も使っていきますが、ToupCamとのコラボレーション等(LRGB合成用のカラーカメラ)、複合的な使い方が主になるかもしれません。
とはいえ、このカメラで撮りたい天体もいくつか候補があるので、順次狙っていく予定です。
次は望遠鏡分析です。
望遠鏡のほとんどを、友人たちに預かっていただいたこともありますが、オライオン30cmがとうとう半分を越えました (^^ゞ 49%→51%
うーん、だんだん老朽化してきている(JMIのMotoFocucerも壊れたし・・)のですが、やはり移動して使える30cmは威力抜群。
次点はイプシロン200/MT160ですが、やはり預かってもらっていた為、今年は活躍の場無しでした。
ASC-11も同様で、相対的にその存在感を弱めてしまいました8%→7%。
来年からは、当面、自宅撮影になりますので、ASC-11やイプシロン200には大いに活躍してもらいたいと思っているところです。
ASC-11はいい機材なんですが、もう少し使いやすい様に(光軸合わせとか)、検討していかないといけないかな・・・。
NewFD328は当初からアパート住まいでも使う予定でしたが、嫁さんが探してきてくれたアパートが広かった為、GENESIS SDFも手元において置けたのも大きかったです。遠征用サブ機として活用できました。まぁ、入選までは至っておりませんが・・・(; ̄ー ̄A アセアセ・
VISACも、メインプランが一段落してきたら、活用していく予定です(もっとも、光軸調整をマスターせねば・・)
ジャンル別で分けると、系外銀河がやはりメインですが、割合としては、昨年39%→37%と減。
替わりに惑星状星雲が、13%→15%と向上。
どちらにしても、強拡大系ですね (; ̄ー ̄A アセアセ・
散光星雲も19%のシェアを占めてますが、クローズアップ系のナローバンドが主かなぁ・・と思います。
来年は火星接近もあるので、惑星も頑張りたいところですが、ASI120MMだと今一歩、しっくりきてないのもあって、どうなるやら・・・。
そうそう、彗星は、2年ぶり?3年ぶり?の入選でした。
今後も、やや暗めだけど尾を引いている様な彗星は狙っていきたいと思いますが、これまで使っていたPCを一新してしまったので長年愛用していたステラナビゲータVer2(1996年購入)が、使えないからなぁ・・。
ステラナビゲータ10も買ってあるので、そちらを入れて活用していく予定ではあるのですが、C2Dマシンだとちょっと重たいかもしれませんね、、、。Ver7あたりも買ってあった筈なので、探してきて、それを入れてみて対応しようかな・・などなど、ちょっと未だ環境が整ってなかったりします。
最後に雑誌別。こちらも大勢に変化なしですが、やはり、観測の部、CometFileがある天文ガイドの方が強いです。
なんとか、今年も2ケタ勝利。
来年もそうなりたいものですが、なかなか厳しいだろうなぁ・・・。