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Channel: あしあと ~星空航海日誌~
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ASC-11によるかに星雲

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相変わらず、遠州地方は晴れません・・
休日出勤は回避できたのと、台風が予報より北寄りにずれてきていましたので、敬老の日、ということもあって、神奈川に行ってました。
さすがに帰りは、風が強かったですが・・・

さて、撮影していないものの、子供が生まれてからは撮影していても処理していないというデータが結構あったりします。
なかにはなかなか面白そうなデータも残っていたので、ちょこっと処理してみました。
イメージ 1
かに星雲 M1 ASC-11 DeepStriker CloseUpAC Pro1D ST10XME冷却CCDカメラにて

2014年10月28日の撮影です。SXV-AOのテストを行ったのは、翌年だったと思いますので、この時は、TOAGとZWO ASI120MM をガイドカメラとしたオフアキシステストの時の画像だと思います。


ASC-11は、セレストロン社のC11 シュミットカセグレン望遠鏡を、田中光化学工業のTaNaKaさんが改修した望遠鏡です。
いろいろなバリエーションがありますが、白塗装での機体は初期ロットのみ(後日、ステンレス鏡筒になりました)だと思います。
その上、無膨張インバーロッドを組み込んだ、この機体は、少なくともS先生の1号機と自分の2号機のみかも?
(ひょっとしたら、参号機くらいまでは同一仕様かもしれませんが)。
それにタカハシのラック&ピニオン接眼部を奢り(回転装置の精度が秀逸で、ガイド星を探したいAOでは精度の高い回転装置が必須なのです)、さらにロボフォーカサーで電動化(AF化はちょっと難しいかも。ε200なら任せられる実験結果だったのですが)する、レデューサとして、KenkoのクローズアップAC Pro1Dを使用し、約F7前後にする等、数々の工夫を行っています。
そこまで含めると、ほぼ、ワンオフの機体といっても差し支えないことから、『ディープ・ストライカー』の愛称を与えて運用しています。

近年では、SXV-AOを使用し、より高いレベルの天体写真を撮る為の実験も行っていますが、こちらは、まだまだ実験中・・。未だにシステム完成までこぎつけていません。
が、それでも、やはり、長焦点大口径は素晴らしい性能があることは、このかに星雲の写真からも感じとっていただけるかと思います。

シュミットカセグレンの天体写真用の利点と欠点は、昔から多々あります。
ASC-11 Advanced Schmidt Cassegrainは、欠点のうち、外気温変化によるピント移動の大きさ(副鏡で5倍にも拡大する為、計算値ではフローライト以上にシビア)で、通常のシュミットカセでは、1℃の温度変化でも200μmもピント位置が移動してしまうことが判っており、実際に、フォトコンテストで最優秀を撮られている方なども1時間に1回はピントを合わせ直しているとのことです。それも多分、銀塩写真でやられていた方の最優秀記事からの話しなので、デジタルカメラ時代に、この種の光学系の活躍が廃れてきているのと無関係ではないでしょう・・

さらにコマ収差の大きさは、補正板を、純正品より1.5倍程伸ばした位置に設置することにより、大幅に低減。
アプラナート化した機体です。ASC-11のAは、元来はアプラナート(コマ収差が無い光学系)です。ただ、改良はそれだけに留まらないことから、TaNaKaさんに敬意を表して、Advanced Schmidt Cassegrainと呼んでいますが。
要するに、昨今(と、いうか一昔前??)、流行のリッチークレティアン系とほぼ同等の光学性能を有してはいるのです。

ただ、シュミットカセグレンのもう一つ大きな欠点、ミラーシフトだけは、残ってしまいました。
冨田式ミラーロックは当然、使っているのですが・・・・
イメージ 2
28cmともなると、ロックしていても、被写体の高度によって、ミラーがコトリ、と動くみたい・・・?
あるところで、いきなり、ピンぼけになるんですよね・・・(;´д`)トホホ…

当然、ミラーが動いてしまっては光軸も狂うワケで、なかなか安定して使えていないというのが実情だったりします。
それでも、やはり、長焦点光学系・長大なバックフォーカスによる汎用性の高さは大きな武器です。
実績では、軽量で使い易い、オライオン30cm反射望遠鏡の方が、上になってしまいましたが、、、
安定度の点では、ASC-11の方が同等以上だと思います。
ミラーのコトリ、が無ければ確実に上なんですがー・・・ふ、ふふふ・・所詮は、趣味枷ということか・・・・(;゚Д゚) 

でも、昨今の高精細化してきたデジタルカメラであっても、長焦点系は性能を発揮できそうです?

興味ある方はリンク先を見て、よーく比較してみてくださいね。
ASC-11は露光不足で、作品レベルには達していませんが・・・
(MT160に近いF6.5程度まで落としても、様々なロスで、実効F値は暗かったりします・・・…( ̄ヘ ̄;)ウーン)。
しかし、ハイライト部のディテール描写の差については見ていただきたいと思います。

ASC-11については、やはりもっと真面目に取り組んでいかなければと考えています。
なんだかんだいっても、手持ち機材の中では、フラグシップモデルと思っています。
まだまだ。これから。良い作品を撮ってあげたいと思っています。

もっとも、機材の組み合わせで、SXVR-H694の4.65μ画素とオライオン30cmF4反射望遠鏡+パラコアⅡがあまりにもベストマッチ過ぎる・・とう点も大きいのですが・・・
CMOSカメラも高精細モノが多いですからねー・・。F値暗めのシュミカセやRCよりも、ニュートン反射の方が、適してる時代になってきてはいます・・・
RC系よりも、Corrected Newtonないし、PrimeFocusか・・・
時代の最先端を行きたいと思うならば、やはり明るい光学系がBestで、あとはそれに見合ったカメラは、沢山出て来るので・・。マッチングを考えたトータルシステムであれば。。。いや、しかし、それににはよりシビアなシステムが求められる筈。オライオン30cmF4の精度ではSXVR-H694の4.65μも満たせてはいない筈・・。それもジレンマではあるのですが・・・。だからこそ、タシロ大佐のMT250+BJ-41Lに負ける・・。シーイングでの制限は承知の上で、ですが・・・・。最終的にはやはり安定した機材が上か・・・とも、思いますが・・
それでも、並の25cmよりはウチの30cmオライオンは上を行くと思いますが、MTは別格ですね。
あの安定度は、確かに口径以上の威力も感じてはいるのですが・・・・
と、いうのを白抜きで語ったりして。ケータイ・スマホからは丸見えですけどね(笑)
最終的には、どんな機材だろうが、上手く使った者勝ちでしょうかねぇ・・・。
これも、数年後には、高精細・高感度・低ノイズのCMOSカメラにひっくり返されてるかもしれません。CMOSカメラの高精細を活かすならば(デジタルカメラを含む)、やはりF値は明るいに越したことは理屈上ないのですから・・。





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