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Channel: あしあと ~星空航海日誌~
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各波長による星雲像

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みなさん、ご存知の通り?
散光星雲(発光星雲)や惑星状星雲は、星(恒星ないし白色矮星)からの紫外線照射を受けて、ガスが電離し、ふただび、電子が基底状態に戻る時に光を出す・・・
つまり、ガスの原子に特定の光、輝線を放出しています。
複数の輝線が集まって美しい星雲の色彩が見られるわけですが、昨今のデジタルカメラ(冷却CCDカメラ以外にもデジタル一眼レフカメラ、CMOSビデオカメラも含めて)はかつてのフィルムに比べ圧倒的に高い感度を有していますから、特定の輝線のみを通すバンドパスフィルターを通して撮像することが可能になっています。

具体的に良く使われるのは、水素ガス輝線を捉えるHαフィルターなのはご存知の通りかと思います(Hαに関しては、フィルム時代にも先進的な一部アマチュアで使われていました)
そのほか、酸素輝線のOⅢ、硫化物イオンのSⅡは、冷却CCDカメラ時代になって、ハッブル宇宙望遠鏡が使ったこともあり、天文用フィルターとして製品化されています。

これらのバンドパスフィルターを用いることで、特定元素からの発光のみを捉えることで、より鮮明な天体の姿を得ることが出来ます。(波長分解能の向上)
各波長で撮ったキャッツアイ星雲  オライオン30cm反射望遠鏡 パラコアⅡ使用
SXVR-H694冷却CCDカメラにて

手持ちのフィルターを用いて撮影したキャッツアイ星雲です。
んー・・残念ながら、SⅡ以外はどれも似たような構造になってしまって、ちょっと面白味にかける結果でしたが・・
特定の輝線を抽出することで、より高解像の星雲像を得られるのは判りますかねー・・
こちらはドーナツ星雲です。HeⅡで撮像すると、お馴染みのリング状のドーナツの姿ではないのが判りますね!
OⅢとHαでも構造が違うのが良く判るかと思います。

使用しているHeⅡは、天文用フィルターでは市販されていない為、10年以上も前に、エドモンドオプティックスから購入したバンドパスの干渉フィルターです。
透過率が、45%程度とイマイチな上、ソフトコートで、基盤ガラスがノンコートということもあり、劣化が著しい面があるのが残念ですが・・
現在では、ハードコートのより透過率が高いものも販売されているようです。(お値段は、φ25mmで2万5000円ほど)

惑星状星雲で天文用として興味深い波長は
HeⅡ 468nm
OI 630nm
ArⅢ 713nm
HeI 587nm
といったところであるようです。
作例はほとんど見かけませんが、ちょっと面白そうですね。
ただ、そんなに使用頻度が高くない(撮りたい被写体が少ない)ので、うーん、わざわざお金をかけてフィルターを買おうかどうか、ちょっと悩むところです (^^ゞ
HeⅡ、OIは、パロマ天文台での写真でも使われていた波長で、とりわけ、HeⅡは、消えるドーナツを撮りたいなぁ・・・ということで、買ったんですよ。
HeⅡも劣化してしまっているとはいっても、一番撮りたい天体は撮っちゃったしなぁ・・。

まぁ、同じことばかりやっていても面白くないというのもあって、そのうち、買っちゃうかもしれません (; ̄ー ̄A アセアセ・

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